リポ電池の充電にはご注意!

リチウムポリマー電池(通称、Lipoとか、リポ)の発火に関する注意喚起が東京消防庁から出ました。
携帯電話などで発火事故があった!とか騒がれていた電池と言えば、ご記憶の方もいるでしょうか。
ロボット業界では有名なお話ですが、映像があったのでご覧いただきたいとおもいます。
リポは、知識があれば安全に運用できますし、、リポの大出力を実感されると思いますので、安全な使い方、保管、移動、廃棄方法についてご紹介します。

Lipoはニッケル水素(NiMH)などに比べて容量も大きく、軽く、放電性能もよいため、ラジコンやロボットにはよく使われています。

リチウムポリマー、リチウムイオン、中に使われている電解質(電解液)の組成の違いなので、どちらも成分はそれほど変わりません。
(リチウムイオンは液体、リチウムポリマーはポリマー電解質を使用しています。)

紹介する映像の内容は、知識がない誤った充電と言ってもいいところですが、一般の方ではおんなじコネクタだし、いいか、と言う人も多いのでしょう。
普通は1-2A充電で、6Aも流す充電をすることなんてほとんどありませんし、ニッケル水素用の充電器で充電することもロボット屋さんならない話ですね。いずれにしても東京消防庁からも注意喚起が出るほどになったということはリポが相当一般に浸透してきたことがわかりますね。

一番危ないのは、故障時です。
リポを燃やすとビデオとおなじく、本当に火柱が上がります。(安全策をしてある電池もあるので一概に燃えるとは限りません。電池やロットによります。)
ロボット大会でよく目にしたり、聞いたりした事故例と一緒に対策をご紹介。とにかく安全に使えば便利な電池ですから、安全な使い方を覚えてください。

  1. ケーブル断線によるショート
    これはいつどこで起こるかわからないので、防ぎようがないのも事実ではありますが、点検で防げるものも多いので、気をつけて使いましょう。
    【対策】
    *設計時にバッテリーケーブルが断線させられそうな可動部にかかってないようにする。
    *バッテリーを使用するときに、コネクタが外れてないか、ケーブルが傷ついてないか確認してから使用する。

  2. 充電時の過充電による発火(爆発)

    電池の充電容量を間違えて過充電、過電流で起きる発火事故です。消防庁のビデオはこれに当たります。ラジコンだと車の12V(シガーライター電源)で充電していて、帰ってきたら車が一台焼けていた例も聞いていますので、充電時には目を離さないでください。
    【対策】
    *適切な充電器を使ってください。
    *電池の説明書にある充電上限の電流量を守ってください。(ほとんどの場合は1A)

  3. 工具箱などと一緒に入れて電池を傷つけた。
    私はまだ見たことないですが、やった方の話では、これは超怖いです。かばんがいきなり発火するそうです。本人もまさか発火するとは思わずというところなので、相当パニックになります。その方は工具と一緒の入れ物に電池を放り込んで、ドライバーが電池に刺さったとのこと。リポ電池と工具を分けて入れるなど気をつけていれば防げた事故ですね。
    【対策】
    リポ保管袋などにいれ、工具とは離す。ガラス瓶などの壊れやすいケースには絶対入れない。

  4. ふくらんだリポは使わない
    すでに壊れてます。発火の原因になりますので、充電も使用も避けましょう。速やかに安全に廃棄してください。

  5. その他、安全のために
    ロボット大会でよく見かけるのが、ロボットのモーター冷却にと、冷却スプレー缶を使う方。可燃性のガスのものを使っている学生が多いので、運営役員はとても怖い思いをしています。先生に言ってもぽかーんとされることも多いし、学生に言っても、冷やすものがないからと拒否られて困ることも。ちょっとした火花で爆発しますので、本当にやめてください。お願いします。(-人-)
    難燃性のガスのスプレー缶もありますし、扇風機と言う手もあります。もっといいのは、ちゃんと勉強して、モーターを熱くしない制御や設計をすることです。

安全に移動と保管をするために

ロボット連れて世界中に行く機会も増えてきた昨今、保管については、リポ保管バッグ(リポ袋とも言います)なるものを使うのが一般的です。


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これは発火を防ぐものではありませんが、万が一発火をしてしまった時に消防士と同じ防火布を使って作られていますので、延焼を防ぐことができます。

アールティではリポを携行するときは常にこの袋に入れて持ち歩きます。

保管は、リポ保管バッグでもいいですし、燃え移りにくい、割れにくい入れ物に入れてください。
透明できれいに見えるからとガラスのキャニスター瓶に入れてきたお客様がいらっしゃったときは、それが爆発したらガラスが飛び散ってほとんど爆弾と一緒なので、やめてくださいとお話したこともあります。

ではどんな入れ物ならいいか?ちゃんと絶縁されている電池なら、しっかりしたお菓子の缶などでもよいでしょう。缶を使う場合は、缶の金属部分に電池の端子が触れてショートしないようにだけ気をつけてください。

長期保管する場合
リポ電池を充電してしまいましょう。使い切ったままで保管しないように注意してください。リポ電池は、容量がなくなると自分で自分を食い尽くしてしまいます。(ふくらんでガスが発生するのでダメになっちゃったのがわかります。)これを防ぐために、満充電でもいいですし、半分から7~8割くらいの容量は充電してから保管してください。どんどん電池は減りますので、定期的に電圧を見るのも忘れずに。

廃棄するには
リポ電池を廃棄するためには、電池回収がある自治体なら電池回収があるところへ。

ごみとして廃棄する場合は、塩水(塩分濃度は海水の3.5%以上で)につけて1ヶ月ほど放置してから不燃ごみとして出します。(成分としては可燃ですが各自治体に確認してください。不燃ごみにしてほしいという地域が多いようです。)このときもガラス瓶などの割れやすいものには入れないでください。

リサイクルに出す場合は、「充電式リサイクル協力店くらぶ」などのリサイクルボックスで回収されています。 各地域のリサイクル協力店は、電池工業会のホームページなどで紹介されているので調べて見てください。ちなみに、リサイクルに出すときには、ショートを防ぐため各電極はテープなどで完全に絶縁してください。リサイクルに出す場合は、特に塩水に漬ける必要はないそうです。

参考
最近では、LiFe(リフェと読みます)といった発火安全なタイプの電池も出ていますので、LiPoよりちょっと重いですが安全と言う意味ではお勧めです。

ぜひ皆さん、電池は正しく、安全に使いましょう。
アールティからの切なるお願いです。